民事再生法の適用を申請して経営破綻(はたん)したスカイマークの有森正和新社長
が29日記者会見し、「ご迷惑をおかけしたことを心よりおわびします」と陳謝した。
2月から神戸─新千歳など12路線で便数を減らし、将来的に沖縄県の石垣、宮古両空
港から撤退することを明らかにした。減便数は曜日によって違うが、1日あたり最大で
26便になる。
スカイマークが民事再生法適用を申請 運航は継続
有森社長は、28日退任した西久保慎一前社長の後任に就いた。西久保氏は取締役も
退任したという。有森氏は「投資ファンドのインテグラル(東京)から支援を受けて経
営再建を目指す」と強調。ANAホールディングスなど同業大手からの出資については
「第三極の立場を貫きたい」と否定した。
有森氏は経営破綻の理由として、円安のためドルで支払う航空機のリース料負担が増
えたことや、大型機「A380」の契約をめぐりエアバスから7億ドル(約830億円
)の違約金を求められたことを挙げ、「再建には法的手続きが不可欠と判断した」と説
明した。
2月からは席数が多くコストがかかるエアバスA330の運航をやめる。そのため新
千歳─仙台、新千歳─茨城、新千歳─中部、中部─那覇、神戸─新千歳、神戸─米子、
神戸─那覇、福岡─仙台、福岡─茨城、福岡─那覇、那覇─宮古、那覇─石垣の12路
線で便数を減らす。全体では1日152便から曜日により126~128便に減る。
その他の運航については「一切の支障がない」とした。全日本空輸、日本航空との共
同運航についても「前向きにお願いしたい」と実現を目指す考えを示した。全日空と日
航も、予定通り3月末から共同運航を始める方向で準備している。
国土交通省は29日、スカイマークに対し、引き続き安全を確保するとともに、利用
者への案内を徹底して混乱を防ぐよう要請した。
■スカイマーク株はストップ安
29日の東京株式市場では、民事再生法の適用を申請し、上場廃止が決まったスカイ
マーク株式に大量の売り注文が出て、取引が成立しないままストップ安となっている。
前日終値は317円だったが、午前の取引では制限値幅いっぱいの80円安い237円
まで下がっている。
一方で、利用客が流れる期待から、ANAホールディングスや日本航空(JAL)の
株価は値上がりしている。
東京証券取引所は28日にスカイマークを整理銘柄に指定し、3月1日付で上場廃止
にする。時価総額は28日の終値ベースで約290億円、株主数は昨年3月末時点で約
2万4千人。上場企業の経営破綻(はたん)は、2013年8月の物流会社ワールド・
ロジ以来、1年5カ月ぶり。
http://www.asahi.com/articles/ASH1Y35CYH1YULFA004.html