祝!大谷新人王 日本ハム万感
“生みの親”たちの感慨もひとしおだ。エンゼルス・大谷翔平投手(24)がア・リー
グの最優秀新人(新人王)に選出され、古巣・日本ハムも祝福ムードに沸いている。「
入団の可能性は0%」とメジャー直行を表明した花巻東の大谷を2012年のドラフト
で強行指名し、誠意と説得力のある交渉で入団にこぎつけた山田正雄スカウト顧問(7
4=当時GM)が万感の思いで二刀流新人王の意義を語った。
6年前、GM職にあり大谷獲得を成功させた山田スカウト顧問は「自分の希望でアメリ
カに行って結果を出したのはよかった。こちらとしても、あの時、ああやって勝負をか
けて育成した選手。(二刀流を)球団全員がひとつになってやってきたし、ファイター
ズとしても今後に生きてくると思う」とコメント。大谷がまず新人王というタイトルで
米国に認められたことを喜び、それまでの過程が今後の球団の財産となることに言及し
た。
山田顧問は高卒で入団した大谷が日本ハムでの5年間、恵まれた素質を開花させるため
、脇目も振らず一心不乱に野球にささげてきた姿勢を称賛。「あの真摯に野球に取り組
む姿勢がね、やっぱり大切なんじゃないかな。本人の性格もあると思うけど、もう(集
中力が)全然違うからね。(メジャーという)目標に向かって今何をすべきか自分で考
えて取り組んでいた。栗山監督を含め球団全体でそういう教育をしてきたつもりだし、
本人が全く横道にそれることもなかった」と振り返った。
24時間、365日の全てを野球にささげていた日本ハム時代。この5年間の足跡は球
団固有の大きな財産になる。「去年入ってきた清宮にしても、今年入ってくる吉田や他
の選手に対しても最高の手本になる。まず、周りのコーチなり先輩選手が言えるじゃな
いですか、実際に見てきた『大谷の取り組みはこうだったんだぞ』ということを。そし
て、彼だって入団してから何年かは『死に物狂いでやらなければいけない』という趣旨
のコメントを若い選手に残している」と大谷の姿勢を伝えることが、最高の“若手育成
マニュアル”になるという。
「それでも3~4割の選手は横道にそれてしまうもの。その確率を少しでも減らして、
多くの選手がいい方向に向かってくれる意味でそういうOBが在籍していた事実には意
味がある。それがあれば、今後プロ野球に入ってくる高校生、大学生らにもあのチーム
で大谷選手が歩いた同じ道を歩んでみたいと思う選手がいるかもしれない」
大谷のメジャー初タイトルは6年前に「活躍するためには日本のプロ野球を経由して行
った方が絶対にいい」と本気の提案でMLB直行を翻意させた日本ハム球団の育成の正
しさの証明でもあった。
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