扉絵は仲良く日向ぼっこをする渚と殺せんせー。
■殺せんせーと28発の弾丸、それがこの教室のすべて。
くしゅっとクシャミをする茅野。
■治療を終え…
茅野「寒…って うわぁ!? ていうか私何て格好!?」
胸がはだけている茅野。
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イトナが茅野のちっぱいをじっと見る。
イトナ「かわいそう」
茅野「何が!?」
前原が上着を茅野にかける「いーじゃねーか 殺せんせー髪まで結ってくれたんだぜ」
涙目の茅野「服から直して欲しかったよ」
岡島「いやいや あの手厚い殺せんせーの治療だ ちょっと位巨乳に治してるかもしれね
ーぞ」
矢田「そーなの 殺せんせー」
E組が振り向くと同時に倒れ込む殺せんせー。
殺せんせー「ふぃーーーっ 疲れました」
ナレーション:
倒れ込んだ殺せんせーは…
いつになく満足気で…
いつになく弱々しく
疲労困憊で動けない様子の殺せんせー。
殺せんせー「皆さん 暗殺者が瀕死の標的を逃がしてどうしますか」
固まる一同。
殺せんせー「わかりませんか?殺し時ですよ」
「楽しい時間は必ず終わるものです それが…教室というものだから」
思わず上を見上げる菅谷「………!!」
上空では天の矛が煌々と光っている。
ナレーション:
膨れ上がっていくレーザーの光は…予定に変更が無い事を
雄弁に
残酷に物語っていた
今 僕等が殺さなくても…
もうすぐ発射されるレーザーが
殺せんせーの全てを破壊する
暗殺期限まで30分を切り
今すぐに発射されてもおかしくない時間だった
俯き、やるせない表情を浮かべるE組。そこで声を上げたのは磯貝だった。
磯貝「…皆」
「俺達自身で決めなきゃいけない」
「このまま手を下さずに…天に任せる選択肢だってもちろんある」
「手 上げてくれ 殺したくない奴…?」
全員一致で手が上がる。
磯貝「…OK 下ろして」
「…………」
「………」
「殺したい奴…?」
ナレーション:
いつだって…
銃とナイフと先生がいた
1年間の様々な思い出が蘇る。
そして手を挙げたのは…クラス全員。
ナレーション:
…これが 僕等の答えだ
満足そうにニコッと笑う殺せんせー。
ナレーション:
僕等は殺し屋
標的は先生
絆を守って卒業するために 恩師に対してすべき事
皆が痛いほどわかっていた
E組が全員で殺せんせーの触手を押さえていく。
『殺せんせーの弱点37』
“全員で押さえられれば動きが止まる”
ナレーション:
二学期の期末テスト
目標を達成した僕等へのご褒美に先生が教えてくれた弱点
中村「…こうしたら…動けないんだよね殺せんせー」
殺せんせー「その通りです 今村さん 握る力が弱いのが心配ですけどねぇ」
動揺する中村「……!!」
その言葉に一同は悲痛な表情で力を込める。
ナレーション:
殺すためとか何だとか
理由は深く考えなかった
1年ずっと褒められ叱られ育てられた先生の触手を 皆が強く握り直した
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腹「ネクタイの下 心臓…だよね」
「最後は…誰が?」
奥田さんがちらっとカルマの様子を伺うが、カルマは動かない。
立ち上がったのは渚。
渚「…お願い皆」
「僕に…殺らせて」
寺坂「…誰も文句は無ぇ」
カルマ「この教室じゃ…渚が主席だ」
恐縮する渚。
渚がゆっくりと殺せんせーの体の上に乗る。
渚(…先生 )
ネクタイをめくる渚。
殺せんせー「ネクタイの上から刺せますよ もらったその日に穴をあけてしまったので
」
「そのままにしておきました これも大事な縁ですから」
「…………さて皆さん」
「いよいよですね」
「一人一人にお別れの言葉を言っていたら24時間あっても足りません」
「細かい事は教室に残したアドバイスブックに残してきたので」
「長い会話は不要です そのかわり」
「最後に…出欠を取ります」
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殺せんせー「一人一人先生の目を見て」
「大きな声で返事を下さい」
■最後の授業──完結まで、あと4回。
次号、クライマックスカラー29P!!