箱根山大涌谷 水蒸気噴火を裏付ける映像
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150703/k10010137671000.html
先月、ごく小規模な噴火が確認された神奈川県の箱根山の大涌谷で、噴き出た蒸気が冷
やされ土砂と混ざって流れ出る小規模な火山泥流とみられる現象など、水蒸気噴火が発
生したことを裏付ける映像が記録されていたことが分かりました。
映像は、箱根山の火山活動を24時間体制で監視している神奈川県温泉地学研究所が大
涌谷に設置した定点カメラなどに記録されていました。
このうち定点カメラの映像には、先月29日の午後0時半ごろ、水滴のようなものが付
着し始めた様子が写っています。
水滴は雨粒のようにすぐに流れ落ちず粘着性があったことから、研究所は水蒸気噴火に
伴う火山灰を含んだものであると分析しています。
気象庁は最初の噴火について「29日夜から30日にかけて発生したとみられる」と発
表していますが、この映像は、それよりも半日ほど早く噴火が起きていた可能性を示し
ています。
さらに、同じ日の午後3時ごろ現地調査に訪れた研究員が撮影した映像には、噴き出た
蒸気が地表付近で急激に冷やされ周りの土砂と混ざって流れ出る小規模な火山泥流とみ
られる現象も記録されていました。
今回の火山泥流は水蒸気噴火に伴って発生したものとみられ、研究所は、採取した火山
泥流の成分を詳しく調べるなどして火山活動の分析を行うことにしています。
県温泉地学研究所の萬年一剛主任研究員は、「今後、水蒸気噴火が強まるのかどうかに
加え、地下にあるマグマが上がるような兆候がないのか注意深く監視していきたい」と
話しています。