【ハンターハンター】 ネタバレ351話 『護衛』
赤ん坊のワブル王子を抱き、切ない表情を浮かべるクラピカ。
その様子を見てオイトはしばし思案顔。
オイト「………」
「クラピカさん、と言いましたか」
クラピカ「ええ」
ワブルをオイトへ返しつつ答える。
オイト「もし貴方さえよければ…護衛の代表をお願いできませんでしょうか」
クラピカ「代表…ですか」
オイト「護衛の方は全部で6名の募集を予定しています。既に採用の決まった方もおり
ますが…より警備を堅固にするため、指揮系統を明確にしておきたいのです」
「統率を取る方がいた方が、いざという時に動きやすいでしょうし…報酬なら先ほど提
示した額のさらに倍を前金でお支払いさせて頂きます」
クラピカ「少し考えさせて下さい」
(いざと言う時…それは当然"他の王子の刺客"に襲われた時ということだろう)
(セレモニーの間、会食中、就寝時間、入浴、排泄…いつ何時襲われるかも分からない
護衛任務…当然統率の任を受ければ王子に付きっきりになるだろう…)
(第四王子(ツェリードニヒ)の為に動く時間がそれだけ短くなるに違いない…が)
(王子同士の接見など、最小限の護衛しか同行を許可されない場面もあるはず…だとす
れば統率する立場に着いた方が…)
クラピカ「…いいでしょう 報酬は規定通りで構いません ただし─」
オイト「分かっています 私もできる範囲で協力致します」
しばし見つめ合う2人。
納得したような表情のクラピカ。
オイト「詳しいお話はまた後にしましょう」
全ての選考が終わるまで待っていて欲しいと、護衛専用の個室に通される。
携帯を取り出してやめるクラピカ。
周囲を見渡していく。
クラピカ(監視カメラなどは見当たらないが…盗聴される危険性もゼロではない)
"Q"で他の5人と連絡をとるクラピカ。
イズナビ→髭や服装などに細かいダメ出しをするタイタンに辟易。
「色々と不自由になりそうだが、できる限り協力する」
バショウ→マフィア所属ということで即採用。早速、各王子暗殺計画が説明されたとい
う。
「この警護(しごと)まだまだ裏がありそうだ」
センリツ→能力により採用。ルックスの問題で王子近辺の警護はできないが、その方が
好都合。
「もし、重要な情報が耳に入れば、逐一報告するわ」
ハンゾー→モモゼは神経質な性格らしく、既に厳戒態勢。
「ま、かよわい少女だし仕方ねーな。護り甲斐があるってもんだ」
ビスケ→護衛に不慣れな者が多く、先が思いやられる。
「でも、あんな小さな子が殺し合いなんて…ほっとけないわさ」
説明会が開かれるということで、クラピカが呼ばれる。
会議室にはクラピカ含め8人の男女。これまでの経緯や大雑把なスケジュールが説明さ
れる。説明役はオイト・ワブル母子の最側近タンクス。(ここは詳しく描かれない)
次に、クラピカ含め3人(身分を隠していないプロハンター)が残される。このメンバ
ーで王子周辺を警護するという。
簡単な自己紹介。
マルスール=トル
長身の優男。犯罪(クライム)ハンター。
リンダ=ステア
つり目の美人。スパイハンター。
クラピカ
賞金首ハンター
クラピカが護衛のリーダーだと説明される。他の2人は意外とあっさり受け入れる。
詳しい王位継承戦のルールの説明。(ツェリードニヒが受けた説明と同じ)
質疑応答とルールの「穴」についての検討。
?何人の王子が参加する予定なのか?
→当日まで分からないが、病弱のフウゲツを除く全員が参加する見通し。
?継承戦を阻止するため、出港前に王子が殺される可能性はあるか?
→「保護」と「監視」の目的で王子達はホイコーロ系列のホテルに分散して滞在するこ
とが義務付けられているため、暗殺の可能性がないわけではないが非常に困難。
?未成年の王子に関して、母親が狙われる可能性は?
→ルール上問題はないが、ある意味国王への背信行為と言えるので、グレーゾーン。
?継承戦の途中で棄権することは?
→できない。ただ、死んだことにすれば可能性がないわけではない。どの王子が生き残
っているかによって状況は変わってくる。
最後に、最低限の能力を把握するため、3人は別々の部屋に。
ダウジング能力だけを教えるクラピカ。早速他の7人が何らかの嘘をついていないか判
別することになる。
会議室を映した監視映像を眺める。タンクスは、他の2人の能力を聞くため部屋を出る
。
プロハンター以外の護衛からまず2人、嘘をついている者を発見する。そして…顔色が
変わるクラピカ。
その瞬間、背後のドアが開く。
「マルスール……!」
緋の眼に変わるクラピカ。
部屋で会話するミザイとチードル。
それぞれの王子の護衛に自分とボトバイの部下を送り込んだというミザイ。次々と送ら
れてくる報告を見て顔が険しくなる。
「どうしたの?」
「カキンは、船内で王子達に殺し合いをさせることで次期国王を決めるつもりらしい」
「何ですって!?」
再びクラピカの部屋へ。
「そうかミザイの…。どうりで鎖が反応したわけだ」
「ええ。クラピカさんのことはミザイさんから聞いています」
(さっき僕のこと殺そうとしましたよね)
(…そんなことはない)
マルスールから、護衛に混じっている不審者はパリストン派の協専ハンターであると説
明される。
その上で、泳がせるためにタンクスには報告を控えて欲しいという。了承するクラピカ
。
これからの協力を誓う2人。
話し合うミザイとチードル。
内政干渉になるため、中止を要請するのは困難だが、警備計画の再考が必須。人材不足
が課題となる。
「そういえば、護衛に潜入させるハンターは足りたの?事前に協力体制を結んでいたサ
イユウの仲間には頼めなくなってしまったけど…」
「ああ。最近うちのチームに参加したハンターに、第9王子(ハルケンブルグ)と思わ
れる依頼に応募してもらったよ。本人も望んでいたしな」
「望んでいた?どういうこと?」
「どうもミワル大学の先輩らしい。自分が警護に付きたいとやけに力説していたよ」
「ミワル大は名門ね。何という名前なの?」
「えっと、彼の名は…」
「マルスール=トル」
背景には話し合うクラピカとマルスール。