No.368 凶行
煽り:ゴキブリ・アイ進軍中
ゴキブリで見た情報をノートにメモするオイト
オイト(マラヤームの念獣は恐竜の様な怪物…!)
オイト(部屋の中には警護兵・協会員が18名!従事者が6名!)
オイト(指定された15名を超過しているのは…おそらく姉の警護兵も動員しているから
)
オイト(予想が正しければモモゼの部屋には監視の警護兵6名がいるはず…!)
バビ(…さすがに"円"でも何を書いているかまではわからんな)
ノートのページをめくるオイト
クラ(ページをめくった…一人分の調査が終了した合図…!)
クラ(まずマラヤームの構成人数が判明したわけだが…)
クラ(所要時間が一時間余りか…緋の目になって既に三時間近い…!)
クラ(寿命よりも肉体の負荷の方が問題だな…)
次の部屋に移動するゴキブリ
オイト(次は…第12王子の主寝室…!暗いわ…いないのかしら…?)
ゴキブリの見た光景に唖然とするオイト
ベッドの上にいるモモゼに一人の男が覆いかぶさっている
オイト「だめっっ!!!やめてェェーーーー!!!」
オイト「止めて!モモゼ王子が殺されるッッ!早く止めて!!」
クラ「オイト王妃落ち着いて!」
オイトの肩を抱き落ち着かせようとするクラピカ
クラ「ここは王妃の寝室です。疲れて悪夢を見たのでしょう」
クラ(バビマイナの前です!彼はあなたが能力者だとまだ知らない…!)
クラピカを振りほどくオイト
オイト「駆け引きなどしてる場合ですか!あなたがやらないなら私が行きます!」
クラ「わかりました早急に確認します」
クラ「ビル!1012号室に連絡しモモゼ王子の様子を確かめてもらってくれ!」
バビ「交換台は上位王子の所属兵でないと繋いでくれないぞ。俺が間に入ろう」
1012号室からモモゼの遺体が運ばれていく
オイト「止められた…!助けられたかも知れないのに…!」
ビル「死因は窒息らしい」
ビル「王子の就寝中は部屋の外で警護するしきたりだったようだ」
ビル「休息中の2名を除く4名の証言は一致していて誰も王子の部屋には入っていないと
言っている」
ビル「セヴァンチ王妃はこれを受けて警護兵6名全員が共謀しているとして国王に提訴
した」
ビル「6名は拘束されて軍の裁判にかけられる予定だ」
半狂乱のセヴァンチ「全員死刑よ!今すぐ殺して!」
クラ(要警戒だな。タイミングが良すぎる…)
サカタ「ちょっといいか?」
サカタ「王子にはそれぞれ守護霊獣が憑いていると言っていたな」
クラ「ああ」
サカタ「それならなぜモモゼ王子の霊獣は彼女を守らなかったんだ?」
クラ「それはおそらくモモゼ王子の就寝時間にヒントがある」
サカタ「どういう意味だ?」
クラ「通常よりかなり早く王子は休まれている。何か非常に疲労困憊する状況にあった
のだろう」
サカタ「そうか守護霊獣は寄生型!宿主のオーラをエネルギーに動く!」
クラ「その通り」
クラ「我々の警護兵を攻撃した2種類の念獣のうちどちらかがモモゼ王子の霊獣ならば
それによって多量のオーラを消費したはず」
クラ「結果エネルギー切れをおこしそこを狙われた…」
ビル「犯人は念に精通した人物だな」
ビル「だがこの一件で念の情報を入手したい流れがより強まるだろう」
ビル「ツェリードニヒを含め念の会得をエサにして連携できるのはこちらにとって大き
なメリットだ」
クラ(そこが問題だ…)
クラ(探索の続きをお願いしたいところだが…この状態ではせっつくのは酷すぎるな)
クラ(しかしワブル王子の危険を少しでも減らすためにも情報は出来る限り欲しい…!
)
バビ「王妃1つ伺ってもよろしいか?」
バビ「あの場で叫ぶのはデメリットしか無かったはず…何故です?」
クラ(当然だな。やはり悟られた…!王妃が念能力を使っていたこと…)
クラ(しかし…こんな確認に何の意味がある?)
オイト「デメリット…ですか・フフッフフフくくくくくく」
オイト「サバイバルゲームに熱中しているあなた方には腹違いの娘を見殺しにしなかっ
た事がよっぽど奇妙に映るのね」
オイト「よくわかりました。あなた方と話す事はありません」
バビ「…サカタ行くぞ」
サカタ「え…?」
バビ「警護はクラピカに任せる」
サカタ「しかし…」
バビ「我々がいては王妃の気が休まらないだろう。スラッカにも話を通しておく」
クラ("円"を解いた…!?)
再びゴキブリが見た情報をノートに書き留めていくオイト
クラ「王妃…!無理をなさらずに…」
オイト「ワブルの為にやっている事。あなたを気遣っているわけではありません」
交換台を通じて各王子に連絡を取るビル
ビル「開始は明日午前9時だ。その件は15分後にもう一度連絡してくれ。それまでに決
定する」
ビル「クラピカ大勢が判明した。第2第6王子を除く10人の王子が警護兵を派遣する意
向だ」
クラ「予想以上の反響だな第1王子もか?」
ビル「ああ。王子というより警護のリーダーがこちらの動向を知りたがっている様だ」
クラ「他の協会員達の反応はどうだ?」
ビル「上手くこちらの話に合わせてくれている印象だ」
ビル「短期間での念能力取得について疑問と興味を巧みに混ぜて参加の方向へ誘導して
くれた」
ビル「ただ…やはり具体的に2週間のリミットを提示している事に関しては全員が心配
していたぞ」
クラ「不安はわかるがリスクは承知の上だし勝算はある」
ビル「他に問題が2つあって」
クラ「…2つ?」
ビル「まず何人かの王子が複数人数派遣して教わらせたいと言ってきてる事が1つ」
ビル「これを承諾すると防衛上の不安がぬぐえない」
クラ「…上限を2名までに決めよう」
クラ(くそ…痛みがうるさい。ビルの声が…)
ビル「次にチョウライ王子の件だが…」
緋の目による疲労が蓄積しその場に倒れるクラピカ
ビル「クラピカ!?」
1012号室?にて怒りの形相を浮かべるハンゾー
ビスケ「ハンゾー休むのも仕事だわさ」
ハンゾー「俺がいれば防げた」
ビスケ「王妃の命令に従っただけの事、非はないわよ」
ハンゾー「犯人はまたやる…!」
ハンゾー「クラピカの話と6人の証言から導くと犯人は分身を使った可能性が高い」
ハンゾー「それなら拘束は抑止どころか次の犯行の不在証明になっちまう」
ビスケ「冷静になりなよ。仮に分身を使ったなら容疑者は6人にかぎらなくなるだろう
?」
ハンゾー「そうだな。その場合6人に罪を着せるなら手口を変えるだろうし攪乱狙いな
ら同じ手口だ」
ハンゾー「どっちにしろまたやる」
ハンゾー「次は止める」
ビスケ「どうやってさ」
ビスケ(って聞いてる時点でこいつのペースだけどとりあえず感情を吐き出させないと
暴走する危険もあるしね)
ハンゾー「分身を使えるのはそいつだけじゃない。こちとら忍者が本職だからな」
ハンゾー「ただオートマじゃなく自在に動かせる分身なら術者にも相応の制約があるは
ず」
ハンゾー「さらに本体から離れた場所、王子の寝室に直接分身を飛ばし具現化させよう
とするなら」
ハンゾー「犯人は『それだけに集中しなければならない状況にいた』はず!」
ビスケ「もしも6人の中に犯人がいるなら休息していた2人のうちのどちらか!…て事
ね」
ビスケ「そこまでわかってるならもう止めらんないわね」
ハンゾー「ああ」
ハンゾー「報いは必ず受けさせる。必ずな」
ビスケ「…とにかく休みなさいな」
念の修業を続けているツェリードニヒ
手にオーラを集中させている
テータ(信じられない…たった半日で"凝"のコツをつかみかけてる)
ツェリ「テータちゃんさ」
テータ「はい」
ツェリ「さっきチョウライ経由でワブルの警護兵から電話あってさ」
ツェリ「2週間で念を使えるようにしてやるって言うんだよ」
ツェリ「どう思うよ?」
テータ「は…」
ツェリ「お前の話とずいぶん違くねーか?」
ツェリ「お前、念の取得には基礎で早くても半年って言ったよな」
テータ「はい。その説明に偽りはありません」
ツェリ「じゃあそいつがハッタリかましてるって事だな」
テータ「…その可能性はあります」
ツェリ「おい寝ぼけてんのか?」
ツェリ「俺はお前とそいつ、どっちが嘘ついてんのか聞いてんだよ」
ツェリ「死ぬか?」
冷や汗を流すテータ
テータの背後にツェリードニヒの霊獣が迫る
テータ「念の取得には非常に手っ取り早くてそのため非常に危険な方法もあります」
テータ「もしかしたら彼固有の能力が他人の能力開花に関係しているかもしれません」
テータ「少なくとも彼がまともな方法を用いない事だけは確かです」
テータ「絶対に私のやり方が最も正しくかつ早道です」
ため息を吐くツェリードニヒ
ツェリ「俺がこの世で一番嫌いなのは嘘付く女だぞ。信じていいんだな?」
霊獣がテータの顔を覗き込む
テータ「はい!」
室内に鮮血が飛ぶ
次週へ
煽り:揺らげば死!
最新のカーナビがCDのタイトルを空中から拾って来よる。おじいちゃん感動<義博>