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https://news.yahoo.co.jp/articles/7f391d2b5431a0c3d94cafe3e5ca9c2da27666c4
原文:
黒沢清監督、菅田将暉は「人気・実力ともにナンバーワン」
演技のスゴさをベネチア映画祭で解説
ベネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いたことがある黒沢清監督(69)が、最新作の
上映のため、第81回ベネチア国際映画祭に登場。世界からメディアが集まる記者会
見で、主演俳優・菅田将暉さん(31)を絶賛しました。
菅田さん主演の映画『Cloud クラウド』(9月27日全国公開 配給:東京テアトル
日活)。転売で稼ぐ男を主人公に、“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの
恐怖を描いたサスペンス・スリラーで、黒沢監督が脚本も担当しています。
今回、ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門(エンターテイ
メント性の高い作品を紹介する部門)に出品され、現地時間の8月30日にワールド
プレミア上映が行われました。
■米国アカデミー賞の日本代表作品に決定「大変驚いています」
上映の前に記者会見に登場した黒沢監督。実は、会見の直前にこの作品が『第97回
米国アカデミー賞 国際長編映画賞』の日本代表作品に選ばれたことが発表。会見
で、司会者からお祝いの言葉を贈られた黒沢監督は、「本当に純粋な娯楽映画を作
ろうというところからスタートした作品。まさか、このベネチアもそうなんですが、
大きな名誉みたいなものと縁があるとは思っていなかったので、もう大変驚いてい
ます」と心境を明かし、「それと僕の大きな楽しみは、もしオスカーにこの作品が
いったら(ノミネートされたら)、アメリカで菅田将暉さんのことが大いに知られ
ることになるだろうと想像すると、とてもそれはうれしいことです」と語りました。
そして今回、初タッグとなった菅田さんについて「日本でその年代で人気・実力と
もに圧倒的にナンバーワンの俳優」と語った黒沢監督。
続けて、「映画の主役は、わかりやすい特徴的なキャラクターがあったり、喜怒哀
楽をはっきり表したりする人の方が、特にこういったジャンル映画の場合は都合が
いい。(しかし)今回は“普通の人”でいきたい、それが僕の希望でチャレンジで
した。いい人か悪い人かどっちなんだろう、“普通の人間”が持ち合わせている濁
った曖昧な感じを、菅田将暉くらいの非常に高度な演技力があれば、曖昧さが曖昧
さとしてそのまま観客に伝わるんじゃないかなと思い、“彼以外にない”と考えて
いました。僕は見事にそれに応えてくれたと思います」と、菅田さんを主演に起用
した背景を明かし、演技力を絶賛しました。
そして、会見後に行われたプレミア上映は、現地時間の午後11時45分スタートと夜
遅くだったにもかかわらず、1032席が埋まり満席に。
上映終了後にはスタンディングオベーションが送られ、鳴りやまない拍手の中、黒
沢監督は照れた表情を見せながら、安堵(あんど)したような笑顔で応えました。