◆◇ 「 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。」 ◇◆ 2005年04月11日発行
vol.34「love letter from(for) Paris!」
今、2005年4月1日、コッチ時間の朝11時。
パリからロンドンに向かう超特急ユーロスターの2等座席でこの文章を打ってい
る。
隣では相方が珍しく無防備に口をうす~く空けながら、すや~と眠りこけ・・・
そう、私は今、世間で言うところの「新婚旅行」に来ているのだ。
去年の今日、籍を入れたのに? こーんなに、遅くなって??
と、自分でも思うのだが、ムリなく2人そろって休めそうだったのがやっと今だ
ったのだから仕方ない。
しかも去年からコッチ、入院なりなんなりで、カネはない。
日頃お世話になっているJTBさんに背を向けての、ビンボー旅行である(爆)。
それでも自由業の私と違って、一般サラリーマン4年目(このあたりに年の差が)
の相方には、まとまった休みを取る口実はソウソウなく、遅すぎて却下されかけた新
婚旅行休暇を無理矢理ブン取って!
今、ここにこうしているのだ。(ゼンゼン「ムリなく」じゃない)
成田から約11時間。
飛行機から降り立つと、そこには、鈍色に煙るパリの街並があった。
晴れでもなく雨でもなく、曇りが似合いそうな街。
ホゥ・・・と見ほれるのもつかの間、バスから路上を見下ろして驚いた。
超・モノスゴイ縦列駐車!!!
前後の車との車間が、それぞれ10cmくらいしかない。
見渡す限り、そういう車でいっぱいなのだ。
どーやって出るのだ? イヤそもそも、どーやって止めたのだ?
そうこうする間に、ひとりのパリジェンヌがやってきた。
一番端の方に車を寄せる・・・寄せる・・・ “ g o n ”。
・・・「ゴン」? 今「ゴン」ていったよ「ゴン」て!!
口を開けて見ている間に、彼女は、風のように去っていった。
アメリカには何度か足を運んでいるが、ヨーロッパは初めてだ。
しかもパリ。
そんなところに、私が新婚旅行で行くことになるなんて、思っても見なかった。
だって、パリ=オシャレな街、って感じでしょ?
ブランドを買いまくるニッポン人、てイメージでしょ?
(イヤそうじゃない方もたくさんいると思いますが)
撮影の仕事の時はスタイリストさんが用意された服を着るし、取材やイベントの時
には新しい服を買いにゆくけれど、本来私には、服を買いまくる趣味はない。
極端な話、清潔で、肌につけた感じが気持ちよくさえあれば、ずーっと同じ服を着
回していても平気なのだ。
そんな私なワケなので、こう、もっとむずがゆいかなぁと思っていたのだが・・・
落ち着く。
みょ~に、落ち着くのだ。
よくあたりを見回してみると、ブルージーンズの多いこと!
シンプルなジーンズを、ラフに、自然に着こなしている。
いや、中には着こなすというより、、、 という人も、けっこう、いる。
フランスのひとたちは、思ったよりも、ラフなひとが、多いのかもしれない。
・・・とか書いているウチに、ユーロスターはロンドンに到着!
・・・更に時間は経過し、既に今、ニッポンに、到着しているワタシである(爆)。
旅の思い出をツラツラ書き連ねていてもナンだし、特に新婚旅行ともなるとアレな
のでこのヘンにしておこうと思うのだが(とはいえ向こうでも花粉症がひどくていつ
も以上に身体がツラくて、相方をおいて毎晩ひとりでとっととガーと寝ていたので艶っ
ぽさはゼロなのだが/爆)、、、、ひとつ、思ったこと。
アジア圏は別として・・・いや、場合によってはアジア人よりも、もちろんアフリ
カ系よりも、アメリカよりもドイツよりもイギリスよりも。
フランス人は、ひととして、ニッポン人に近い感じがした。
人が、好きになった。
街が、大好きになった。
また行ってみたい。何度でも。
とりあえず、プリウスに買い換えようと思っていたシトロエンは、もうちょっと
手元においておこうっと。
古いものを大事にする、あの街のひとのように。