世界を熱狂させるニューロックヒーロー
「ONE OK ROCK」バンド結成秘話
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ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー
2015年3月号 表紙巻頭インタヴュー ONE OK ROCK(前編)
「世界を考えるってことで、アルバムを作り出した。」
文字どおり世界を魅了しているONE OK ROCK─ヴォーカルTaka、ギターToru、
ベースRyota、ドラムTomoyaの4人は、2013年の欧州、アジアツアーに続き、
去年は北米、南米、欧州、さらにロシアをツアーでまわった。
圧倒的なパフォーマンスで現地のオーディエンスたちを熱狂させた。
もちろん、日本国内は無敵。去年9月の横浜スタジアム2デイズは、約6万人を集めた。
彼らのすごさは、それを従来のバンドのスタイルなどをまったく無視し、
楽曲と演奏力と圧倒的なライヴパフォーマンスで、
世界のロックシーンを席巻していることだ。言わずもがな、
今までの日本からファンを引き連れて行っているバンドとは明らかに違う、
日本発のロックヒーローなのだ。今回、ニューアルバム『35xxxv』のリリースを
受けて初の本誌表紙巻頭を飾ってもらうに際し、バンド結成当時の話から、
ワールドツアー、そしてニューアルバムまでを、メンバー4人で振り返ってもらった。
その結果、世界を熱狂させるニューロックヒーローならではの自信と、
時にみせるヤンチャな素顔が印象的なインタヴューとなった。
(無視過去的樂團形式,和目前為止帶領著日本歌迷前進的樂團不同)
─実は、今年で結成10年なんですよね。(※2015年にインタヴュー)リーダーであり、
バンド結成の張本人でもあるToruさんはどんな気持ちですか?
Toru:早いですね。まあ、でも、結成は俺ら高校の時で、
初めはメンバーも全然違ったんで。Tomoyaが入って8年ぐらい?
Tomoya:俺は、たぶん結成して1年とかでサポートで入って
Taka:というか、Tomoyaが入ってからやっとバンドとしては動きだしてた感じだしね
─じゃあ、今年の結成10年は、かなり形式的な感じ?
(最初組團在高中,現在人都不一樣了,Tomoya在組成第一年就以輔助團員加入)
Taka:はい。抜けたりした人もいたし、バンドとしてはぜんぜん
固まってなかったんで。それまでは準備期間みたいな感じ。CDは出してたけど。
(雖然有出CD了,但團員來來去去還沒穩定就像準備期間的感覺)
─なるほど。まず、それぞれがバンドに目覚めたきっかけから聞かせてください。
Taka:僕がバンドをやりたいと思ったきっかけはRIZEです。
渋谷で友達の紹介であっくん(金子ノブアキ)に会って、
そのまま何日後かのライヴに誘ってもらって観に行って。
その前まではJ-POPばかりであんまりバンド系って聴いてなかったんですよ、
だから、観た時は衝撃的で。その当時、僕はあんまり外に出ていこうとしてなくて、
内々に入って生きてたんですね。
(Taka想組團的契機是看了RIZE的LIVE,大多聽J-POP不太聽樂團所以很受到衝擊,
當時不太外出很內向)
─引きこもり的な?
Taka:若干、そんな感じでしたね。その時期を乗り越えて、RIZEを観に行って、
びっくりしたんですよ。僕の中で、歌とかアーティスティックなものとかって、
大きい所で表現するものだみたいな固定概念がどこかにあって。
でもRIZEがやってたライヴハウスは横浜だったんですけど、すごく小さくて。
そこに集まって群がってるファンの熱気とか、
それに対してJESSEくんがブワーって言葉を浴びせたり歌ったりしてる姿が
衝撃的だったんです。ステージも会場は小さいけど、
これはひとつの芸術としてちゃんと成り立ってるみたいな、衝撃がもうデカすぎて。
ああ、バンドやりたいなって。そこからちょっとずつ、
ロックっていうものに目覚めだした感じですかね。
Toruもちょうどその当時RIZEとか、ほかに洋楽のバンドも聴いていて、
バンドを組んでて。僕はショボい3人組のバンド、
カラオケを生でやるみたいな感じの変なのをやってて。
─あははは。
(原本以為歌手就是在很大的場地表演,但沒想到RIZE在很小的LIVE HOUSE的演出,
對於歌迷的熱氣和JESSE唱歌的姿態受到衝擊,剛好當時Toru組團也有在聽或是洋樂,
而我就三人組,現場唱卡拉OK那樣奇怪的感覺)
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Photographs by Maciej Kucia (AVGVST)
Taka:それを観に来たToruに誘われたっていう感じなんですよね。
(然後被來看的Toru邀請了的感覺)
─Toruさんはダンスをやってたんでしょ?
Toru:そうですね。Ryotaとやってて。その当時は、ほんとにバンドサウンドを
聴いたことがないというか、聴ける環境が周りにはなかったんですよ。
だから僕もロックを聴きだしたのはほんとにバンドを始める直前ぐらいで。
それこそRIZEとかのライヴに足を運ぶようになって、
その熱さが半端じゃなさすぎて、すぐ組みたくなって。
すぐにメンバーを集めたんですけど、ヴォーカルが足りなくて、
友達に『誰かいないか?』みたいな感じで聞いてたんです。
そしたら、たまたまTakaに出会った。
ロックを聴きだしてからバンドを始めるまでは、ものすごい早かったですよ。
聴いた衝撃をそのまますぐバンドにつなげられたのは、
大きなことだったかなって思います。
(原本Toru和Ryota是跳舞的,當時沒有聽搖滾,開始聽真的是組團前,
看了RIZE等的LIVE就真的很想馬上組團,開始找人,偶然碰到Taka,
開始聽到組團很快,從聽到的衝擊就直接連結到組團)
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ローリングストーン日本版2015年3月号掲載
(Photographs by Maciej Kucia (AVGVST)
─RyotaさんもToruさんと一緒にダンスをやってたんですよね?
Ryota:Toruは小学校ぐらいからダンススクールに入ってきて(Ryotaのほうが先輩)、
以来もうずっと一緒です(笑)。一緒に大阪から東京にも出て来たし、
寮生活もしたし。Toruが高校でバンドにすごくハマって。
でも俺、まったく興味なくて。文化祭に観に来てって誘われて行ったらToruが
ヴォーカルでRIZEを歌ってたんですけど、別に何とも思わなかった。
一同:(笑)
(Ryota和Toru從小學就在舞蹈教室一起,Ryota是前輩,Toru在高中熱衷組團,
但Ryota一點興趣都沒有,什麼都不覺得)
Ryota:ただ、女の子からキャーキャー言われて、なんかすごく楽しそうだな
と思って(笑)。そしたらちょっとしてから俺の部屋に来て、
『ベースが辞めたから、Ryotaやろうよ』って。
俺、それまで、生まれてから一度もロックなんか聴いたことがなかったんだけど、
言われたから『じゃあやるよ』って感じで。でも、気持ちも何も入らなくて、
ある時急に『リハが決まってるから、それまでにグッド・シャーロットを
覚えてこい』って言われて、そこからもうアホほどやるんですけど、
ぜんぜん楽しくないな、みたいな。
一同:(爆笑)
─苦痛でしかないという。
(不過很受女生歡迎,好像很開心的樣子,之後來說BASS辭了,Ryota來做吧,
原本根本沒聽過搖滾,但就做吧的感覺,又突然說排演決定好了,
把Good Charlotte記好來,從那之後就像個傻瓜狂練一點都不開心只有痛苦)
Ryota:そうなんですよ。ただちっちゃい頃からずっとやってきたダンスにも、
ちょっと飽きてた時期でもあって、なんか将来・・・
(不過當時剛好也對從小一直以來的舞蹈有點膩了)
Toru:東京に来たはいいんですけど、このままいったら大阪へ帰るは
めになるんじゃないかって思ってた時期でもあって、
俺は新しいことをやりたかったんですよ。
でも、ひとりでそんなんできるわけじゃないから、
とりあえず仲間を探すためにいちばん身近にいたRyotaを。
─巻き込んだんだ(笑)。
(Toru來東京是為了做些新的事情但一個人沒辦法就總之把身邊的Ryota...牽連進來)
Toru:そう。
Ryota:いまだにすごく覚えてるのが、俺ら、事務所に入ってたんですけど、
バンドするんだったら1回離れなきゃいけないみたいな話になって。
そうなったら、寮も出ないといけないし、大阪に帰らないといけないかも、
みたいな。そういう話をToruからされて。
その日の夜、屋上で、俺は泣いてたと思うんですけど。
(Ryota到現在都還記得,兩個人是有屬事務所的,要玩樂團就一定要離開一次,
那樣的話就要出宿舍,可能就要回大阪,被Toru講到這些的晚上應該有在屋頂哭)
Toru:そうやった! 屋上で会議(笑)
Ryota:『もうどうしよう、帰りたくないし』みたいな。
俺はひとり『うわあ!?』『え!? マジ、バンド!?』って(笑)
Toru:楽器も弾けないのに、どうやってやんの?みたいな感じだったもんな。
(Ryota:怎麼辦啦、不想回去。我一個人:哇!?真的、樂團?
Toru:樂器都不會彈要怎麼搞?那樣的感覺)
Ryota:Toruは『ふたりで新しい家、借りればいいじゃん』って。
別にマイナスな感じがまったくなくて、それで"Toruがそれだったら、
まあいけるかな。じゃあ、ついていくか" って。
(Toru說:「兩個人一起租新的房子就好啦」這樣完全沒有負面的感覺,
那既然Toru這麼說就好吧。那就跟著去吧)
─最後に入ったのがTomoyaさん。最年長だし、それまでもバンドをやってたわけでしょ
?
Tomoya:そうですね。でも最初に会った時から、みんなの熱量がすごくて。
すっと仲間に入れて、すごい楽しい感じでしたね。
実は当時、別のバンドにいたんですけど、いろいろ悩んでた時期で。
これはこっちに入ろうってなって、みんなもぜひ!
みたいな感じで言ってくれてたんで。言ってくれてたもんな?
(最初遇到大家就很熱血,馬上就加入為伙伴,
當時Tomoya雖然已經有在別的團,但是有各種煩惱的時期,
這邊大家就都說加入吧)
Toru:それはそうだろ(笑)
Ryota:むしろ、Takaが普通に、『俺に任せろ。絶対、引き抜くから』って。
(Taka說就交給我吧、絕對挖角過來)
Toru:食い物でつったよな。
─何を食べさせたんですか?
Taka:ステーキ!
Toru:食いついてきたよな。
Tomoya:当時、俺、すごい貧乏だったんですよ、本当に。みんなと会って、とりあえず
ご飯食べようみたいになったんですけど、お金がないんですよ、俺。で、喫茶店みたい
な所に入ってメニューを見たら、オレンジジュースで500円してて。これ、ヤバいなと
思って、『僕、お水で』とか言ってたら、Takaが『おごりますよ』って。
─やらしいわ(笑)。
(Tomoya當時很窮,和大家約總之就是吃飯但真的沒錢,看了菜單柳橙汁要500円,
覺得不妙就只喝水,但Taka就說他請客啦)
Taka:ドラフト、ドラフト。
Tomoya:俺、すごく腹が減ってたから、『いいんすか!?』とか言って、オレンジジュー
スとステーキをおごってもらって(笑)
─それで加入。
Tomoya:いや、そこですぐは決まらなかったですけど(笑)
(然後柳橙汁和牛排都給他請了,當下還沒決定加入)
Toru:その後、ボーリング行ってな。なんか遊んで、Takaの家に行って。
Ryota:で、Takaが『ちょっとドラム叩いてよ』みたいなこと言って。
Tomoya:部屋に電子ドラムがあったんですよ。で、叩いたらその瞬間、歓声が起きて。
Taka:バーン!って一発目を叩いた瞬間に、親指立てたもんね。来たぞ!って(笑)
(之後打保齡球各種玩樂、去Taka家,Taka說打一下鼓吧,房間裡有電子鼓,
接著一打的瞬間就響起歡呼聲,打第一下就立起大拇指了)
─メンバーが揃ってバンドとして始動した当初から、世界を目指してたわけでしょ?
20世紀が終わるまで、バンドって完全に西高東低で、日本のバンドが世界で
勝負するなんて、マジで夢でしかなかった。2000年代になってインターネットが
普及して世界の人が見てくれるっていうのはあるにしても、
それはほかのバンドも条件は一緒だし。最初から世界を目指そうっていう、
その自信とヴィジョンはどこから?
(為何一開始就以世界為目標?就算是網路開始興起,但每個人條件都一樣的,
這種自信和夢想是從何而來?)
Taka:それはToruが強かったですね。僕がこういう曲を作ろうよって
Toruの寮に行って一緒にデモとか作ってる時も、参考になるのは洋楽、
特にアメリカの曲で。僕はそこまで洋楽のバンドを知らなかったんですけど、
Toruのパソコンを完コピーするぐらいの勢いで自分のiTunesもどんどん
埋まっていって。そうやって共有していくなかで、当然、感覚として
日本でっていうことのほうが少なかったですよね。
カッコいいと思う音楽がどこから発信されてるかも知りたいし、
その発信されてる場所に行ってライヴすることがバンドをやるのと
同じ感覚というか。だからバンド組んで、もうアメリカへ行こうよ、
みたいな。で、Toruが航空券を買って、
何も決めずにニューヨークに行こうとしてたんですけど。
(是Toru很強烈的,Taka作曲主要參考美國的樂團,到Toru宿舍做demo,
雖然不太清楚洋樂但有把Toru電腦完全複製的氣勢把iTunes填滿,
當然日本的感覺就少了很多,也想知道很酷的音樂是從哪開始,
想去那裡組團開LIVE,所以Toru就買票想要去紐約)
─ライヴを観に?
Taka:じゃなくて、そのまま向こうで活動しようって。
でもビザもないし、事務所に入ってて学校もあるから無理、
ってチケットを取った後に言われて。結局キャンセルして。
(被事務所阻止)
Toru:キャンセル料も全然返ってこなくて、ギリギリやったんで。
Taka:で、けっこう本気ギレして。
Toru:そうだね。全部パーになって。
Taka:そこからもっと会社とか大人みたいなものを信用しなくなってしまって。
え、何がいけないの?っていう。まあ、その時はまだクソガキだったし。
自分たちのやりたいことを妨げられることが、敵みたいな感じだったんで(笑)。
だから、そこからさらに、いわゆるJ-POPみたいなものとつながってないんですよ。
ただ大きい対象物として見てしまったっていうか。
どんどん洋楽にいってしまいましたね、その事件があったから。
(從那個時候開始不太信任大人了,覺得有什麼不行?那時候還是小屁孩,
只覺得被妨礙了就是敵人那樣的感覺,甚至連接到J-POP,視為只是一個大對象體,
從那事件後越往洋樂去了)
─J-POPの世界は面倒だぞと(笑)。
Taka:そう。結局、日本ってそういう場所なんだっていう。
アメリカのバンドのドキュメンタリーとか見てると、
発言も何もかもすごく自由で、バンド=人生みたいな感じで存在してるのに、
俺らはアメリカへ行きたいって言っただけで阻止される。
そんなバカな話あるの?って、日本の音楽とかシステムとかに対しての疑いが、
どんどん強くなってしまった。
(覺得日本結果就是這種地方,看美國樂團記錄什麼都是很自由的感覺,
我們想去美國卻被阻止,有這種蠢事?就越來越對日本音樂系統感到懷疑)
─でも裏を返せば、その日本流のシステムに乗っかってしまうのが
いちばん楽なわけじゃないですか。そこを踏み越えるのは、
楽しいと同時にすごいリスクというか、覚悟も必要だと思うし。
Taka:僕とかToruとかRyotaの場合は、小学校、僕は中1からですけど、
やっぱりそのシステムに傷つけられてきたし、
そこから脱却するためにバンドをやってるみたいなところがあったんですよね。
いわゆる芸能界といわれるものがどういう場所かは、
幼かったけど知ってたんですね。知ってたからこそ、それとは違ったやり方で
自分たちの可能性を信じたかった。さっきの話じゃないですけど、
バンドから引き抜くためにご飯をおごったりすることって、
大人がやったらいやらしいけど、僕らがやるから低レベルな話で済んでいて。
そういうのを上手く利用だけして、あとは自分たちの力だけでっていうところは
すごくあった。だから乗っかろうとも思わなかったし、
逆に何かいい話はちょっと疑うぐらいの感覚もあったし、
リーダーのToruは人一倍持ってたと思うし。で、それが良かったのかなって。
(Taka、Toru、Ryota覺得從小果然就是受到這系統的傷害,
有從所謂的演藝圈跳脫到樂團的部分,還是想要用不同的做法,
相信自己的可能性,剛說的請吃飯挖角,如果是大人來做就很討厭,
我們自己來就只是程度很低的事而已,好好利用那樣之後再靠自己的力量,
所以也沒有想要搭上日本音樂那種系統,反而會懷疑有什麼好的,
Toru比人多一倍這麼覺得,會說那樣就算好嗎)
─Ryotaさんは?
Ryota「今、昔のことをいっぱい思い出してて。で、俺は常に・・・もう、
ついていく感じなんですよね。TakaとToruが言ったことに。
俺も完全にそういう気持ちになる。海外行きたいってなったら、俺も、って。
毎回そうなんですけど、ほんとに信頼してるんで。
ふたりが言ったことはもう間違いないっていう」
(Ryota以前現在都是就跟著去的感覺,對Taka和Toru所說的,
就是完全變成那種心情,想去外國的話那也去,
兩個人說的是不會錯的)
─Tomoyaさんは?
Tomoya:僕はバンドがすごい好きで、バンドのみんなでデカいことを
やることにすごく憧れがあったし、一緒にやり遂げるメンバーに出会えたなって
思えるようになり、ここに命を預けたいなっていう気持ちが
どんどん大きくなっていって。しかもぐっと引っ張ってくれるんで、
それについていってる、みたいな気持ちが強かったですかね。
(Tomoya很喜歡樂團、對大家要做很大的事也是很憧憬,
覺得是遇到能一起實踐完成的團員,是可以交付性命的心情越來越強,
而且也會用力地拉一把,跟著一起去的心情也很強)
~後編へつづく~
ONE OK ROCKが語る、解散危機を経てたどり着いた世界への扉
http://www.rollingstonejapan.com/articles/detail/25634
黃字的部分僅屬個人補充(炸