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■悲しくも、術なくすれ違う二人───
キングバームの上から様子を見守るナミ。
ナミ「…………」
ルフィ「追い払うって何だよサンジ!!」
サンジ「帰れ」
「他に意味なんかねェよ…!!」
ルフィのもとへ歩いていくサンジ。
サンジ「何の気まぐれか知らねェが」
「わざわざ迎えに来てくれた事はありがてェ」
ニヤニヤと様子を見ているヨンジとニジ。
サンジ「──だが本当におれを想うなら」
「行動が逆じゃねェか?」
「貧乏でちっぽけなお前らといるより 巨大で金のある『ビッグ・マム海賊団』に属し
た方が」
「おれは“幸せ”だ」
ルフィ「!!」
サンジ「お前が『海賊王』になれるかどうかも…疑わしいってのが本音だよ」
「乗るなら勝ち馬を選ぶのが人情だ」
ナミ「冗談やめてよサンジ君!!!」
「何言ってんの!!?さっきから!!!」
ギロ…とナミを睨むサンジ。
ビビるナミ「!!」ゾクッ
「え」
ルフィ「じゃあ…」
「ずっとおれを ダマしてた事になる……!!」
サンジ「──ああそうだ!! 腹の中で見下してた」
足に炎を纏うサンジ。
「急な事で現実を受け入れ難ェだろ」
「“体現”してやるよ 構えろ!!」
足を上げて構えるサンジ。
ルフィ「!!」
その様子にザワつくジェルマ兵達。
兵「なんだあの光!!!」
「炎!?」
ルフィの顔には怒りが。
ルフィ「……!!」
サンジ『“悪魔風脚(ディアブルジャンプ)”!!』
ルフィ「……!!」
構えもせず立っているルフィ。
炎を纏った脚はルフィの顔面へ。
サンジ『“ほほ肉(ジュー)シュート”!!!」
ボキッ
ルフィ「!!!」
ルフィは派手に蹴り飛ばされる。
しかし、空中で体勢を整え地面に着地するルフィ。
サンジ「!!?」
着地した後も勢いは止まらず後ろへ飛ばされるが、なんとか踏みとどまるルフィ。
ルフィ「………!!」
「ウ…」
鼻血を出したルフィ、前歯も1本折れてしまう。
サンジ「構えろよ…」
ルフィ「……!! お前とは…」
「闘わねェ!!」
サンジ「!!?」
無表情で様子を見ているイチジ。
サンジ「じゃあ…」
「消えろよ!!」
ルフィ「……それも断る…!!」
ルフィに向かって脚を振り上げるサンジ
サンジ「お前はいつも」
「わがままばっかりだ!!!」
またしても無防備のままサンジの膝蹴りを顔面に受けるルフィ。
ルフィ「!!!」
派手に蹴り飛ばされるも、再び踏みとどまりヨロヨロとサンジの前で立ち上がる。
サンジ「………!!」
サンジはハァハァと息を切らしながら、仲間に誘われた時の事を思い出す。
『おいコック!!』
『お前 仲間になってくれよ!!』
笑顔で仲間に誘うルフィの姿。
目の前には、ハァハァと血だらけで息を切らしたルフィが立っている。
ルフィ「ハァ」
「………!! ハァ」
キングバームの上からサンジに話しかけるナミ。
ナミ「やめてよサンジ君!! 私達迎えに来ただけなのに!!」
サンジ「!!」
ナミ「ルフィは!! ここへ来る為に夜通し 敵の幹部と戦い続けて もう体は…!!」
ルフィ「やめろナミ!!!」
ナミ「!?」
ルフィ「口出しするな……これは決闘だ」
「何が決闘」とルフィの腰へ、腹へ、さらに顎へ次々に蹴りを入れていく。
ベチャっと大きな血の塊が落ちる。
猛攻に耐え続けるルフィに涙を流すナミ。
ナミ「ルフィ!!!」
サンジ「早く消えろ」
「おれの視界から!!!」
容赦なくルフィを蹴り続けるサンジ。
フラフラになりながらも、ルフィは動かない。
ルフィ「ハァハァ」
「断る」
サンジ「………!!」
またしてもルフィを蹴り飛ばすサンジ。
背後の岩を粉々に砕くほど強烈な蹴りに、ルフィも限界寸前の様子。
しかしサンジはトドメとばかりに空歩行で上空へ。
ルフィ「!!」
涙を流しながら叫ぶナミ。
ナミ「もういいやめてよサンジ君 私達帰るから!!!」
サンジ「……!!」
ルフィ「……!! 帰らねェ!!!」
『お前はいいコックだから』
『一緒に海賊やろう!!』
睨み合う二人。
過去を振り切るように、サンジが足を蹴り下ろす。
サンジ『“粗砕(コンカッセ)”!!!』
ルフィ「!!!!」
ガコオオオォオンと一際大きな音が響く。
ついに意識を失い、倒れるルフィ。
サンジはそのままルフィに背を向け猫車へ。
ざわつく兵士達。
兵士「……何て戦闘力だ…!!」
「さすがはヴィンスモークの血筋…」
倒れたルフィの周囲に血が滲んでいく。
サンジ「………」
いつの間にか降りてきていたナミがサンジへ近づく。
ナミ「ちょっと……!! “サンジ”!!」
バチィン!! とサンジへ強烈な平手打ち。
サンジ「!!!」
その様子にヨンジ興奮。
ヨンジ「うお!」
「キツイ女! キビレるぜ!!」
ナミ「さよなら」
「ごめんね 余計な事して……」
だがサンジは目を合わせようともしない。
ジャッジ「………」
「やっと切れたな 不必要な縁が……」
猫車に乗り込むサンジ。
サンジ「待たせた……」
ジャッジ「出せ」
兵士「はっ」
再び動き出す猫車。
がしかし、ルフィがまたしても起き出す。
ルフィ「ハァ…」
「ハァ」
慌ててルフィに近づくナミ「ルフィ」
ルフィ「待てサンジィ───ッ!!!」
サンジ「!!!」
思わず髪をグシャと握るサンジ。
サンジ「…………!!」
ルフィ「……何が下級海賊だ……!! 言いたくもねェ言葉並べやがって!!」
「ハァ」
「ウソつくんじゃねェよ!!」
「ハァ」
息を切らしながら叫ぶルフィ。
「こんなもんでおれを追い払えると思ってんのか!!?」
「フザけんな!!!」
「おれの事蹴るだけ蹴っても!!」
ズキ…と脚に痛みを感じているサンジ。
ルフィ「痛ェのはお前だろ!!!」
その言葉がサンジに突き刺さる。
涙が止まらないサンジ。
ナミ「───ルフィ!! 何で!? どんな理由があれ あんたをこんな目に…」
ルフィ「うるせェ!!」
目を瞑りながら「止める?サンジ」と声をかけるレイジュ。
サンジ「進め」
出会った頃のサンジを思い出すルフィ。
サンジ『お前さ……』
『“オールブルー”って知ってるか?』
再び叫ぶルフィ。
ルフィ「旅はまだ」
「途中だぞ!!!」
サンジ「!!」
ルフィ「おれはここで待ってるからな!!!」
「お前が戻って来ねェなら おれはここで“餓死”してやる!!!」
サンジ「!!?」
愉快そうに笑うヨンジとニジ。
ニジはよほど可笑しいのか、サンジの肩を叩く。
サンジ「……!!」
『こいつまたネズミのエサ作ってやがった!!』と兄弟に苛められていた事を思い出す。
ルフィ「おれはお前の作ったメシしか食わねェ!!!」
涙を浮かべたナミは困惑した様子でルフィの言葉を聞いている。
遠ざかる猫車に向かって叫び続けるルフィ。
ルフィ「腹が減っても!!! 槍が降っても!!!」
「ここを動かずお前を待ってる!!!」
息を切らすルフィ。
猫車からは何の反応も無い。
ルフィ「必ず戻って来い!! サンジ」
「───お前がいねェと…!!」
「おれは」
「海賊王になれねェ!!!!」
涙を流し続けるサンジ。
■まだ、夢の途中。行かせは、しない!!
ワンピース 845話 ネタバレへ続く!!