◆◇ 「 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。」 ◇◆ 2006年6月11日発行
vol.53 「天使の、降臨祭。」
今回の号はちょっと照れくさいのもあり、本当は前号、「悪魔の、生誕祭。」の
「オガタ→読者の皆様へ」のコーナーに、追記のようにさらりと書こうと思ってい
たものです。
でもあまりに長くなってしまったので、別発行のメルマガにすることにしました
。
口調も変えようかと思いましたが、「です、ます」調のまま、書こうと思います。
前回のメルマガの追記だと思って、気楽な感じで読んで頂けると幸いです。
* * * * *
誕生日のお祝いメールやお手紙や、プレゼントを下さった方、ありがとうござい
ました!
印象的な言葉が入っているものもたくさんあり、ジーンとひとり、感動・・・幸
せな一日でありました。
その中で、特に印象的な郵便物がありました。
韓国の、あるオンナノコからのお手紙です。
日本製アニメが全世界的に配信されるようになり、ずいぶん前から、海外からも
ファンレターやファンメールが届くようになりました。
そのほとんどが現地の言葉、もしくは、英語で書かれているものです。
中には日本語や、日本語混じりの英語で一生懸命書いてくれてあるものもあり感
激するのですが(もちろん現地語の手紙も嬉しいのですけれど!)、彼女の手紙は
その、すべて日本語で書かれているものの中の一通でした。
私の声と出会ってからの半年間の想いが、日記形式で綴られている分厚いノート
。
そのすべてが日本語でした。
「緒方さんが読んだ時、緒方さんの負担にならないように・・・」
思いやりの気持ちが、ページをめくるたびに滲み出てくるようでした。
日本製アニメが数多く吹き替えられてオンエアされている中、韓国の声優が発す
るものと私が発するものの違いについて、彼女が感じたことがこと細かく、熱心に
書かれており、本当に驚きました。
私のファンでいてくれているので、私に肯定的なのはひいき目に見てみても、そ
の感覚の鋭さは・・・! そして改めて、言葉の壁を越えても伝わるものはあるの
だと、嬉しく思いました。
手紙(ノート)の大部分はアニメや歌等、作品について書かれていたのですが、
合間合間に、その折々に起きた時事問題について触れられていました。
曰く、竹島のこと。WBCのこと。靖国問題のこと。
「あまり詳しくは書きたくないのですが」と前置きしつつ、現在の韓国において
日本発の文化に惹かれた韓国の少女の、国家間の問題の中で政治的・宗教的に韓国
国民として揺れ動く気持ちが、とても正直に、素直に、控えめに綴られていて、胸
を打たれました。
その長い長い愛の手紙の中から、ごく一部分を、「原文のまま」ご紹介させて頂
きたいと思います。
「以前TVからインタビューを見ましたが、おばさん(日本人)が、
『死にたかったのにヨンさまを知った後、生きたいと思いました』
と言って。『変なおばさん! どうして会えないヨンさまが生きる
理由になる?』と思いました。
だが今、その気持ち、分かります。私も同じですから。
一月前、車にひかれるかも知らなかったことがありました。私は
あまり生きるのが幸せじゃありませんでしたので、車が来ても動か
なかったんです。しかし一瞬緒方さんの歌が思い出して、『死ねけ
れば歌を聞けなくなっちゃう!』と思って、ひやひやとよけました」
「子供の頃からおととしまでは、実は日本が嫌いでした。
その歴史問題のわけで『日本語もいや! 日本もいや!』で興味も
なかったんです。でも去年、アニメが好きになって日本語も一人で
勉強したし、日本の声優も好きになったし、180度変わって日本の
こと好きになっちゃったのです。
今は『緒方さんのために日本が好き、だから私、外交官になって、
韓国と日本の関係の発展のため働きたい!』と思いました。
好きな両国の関係がよかったらよかったのに・・・。
もし緒方さんが『私は韓国のことイヤなんだ』とおっしゃっても、
しょうがないんですね。私がいつか緒方さんが『好きになった!』
とおっしゃってくださるほど、私、がんばります!
I CAN GET ANYTHING!
韓国、好きになって下さい。意外にいい国ですから」
手紙をくれたCちゃん、そして、このメールマガジンを読んでくれているらしい
、
いろいろな国に住む、いろいろな国籍の読者の方へ。
・・・好きになりたいと思います。今よりももっと。
だから、たくさん教えて下さい。
あなたの国のこと。あなたの国の素敵なところ。
私も、私の国のいいところを、いっぱい伝えてゆけたらと思います。
受け取って下さい。私の気持ちごと。
そして、そんなふうに思える「輪」が、お互いの国のひとたちの間に広がってゆ
くと、いいね・・・!
* * * * *
6月6日というのは、韓国の休日。
「国土の防衛に命を捧げた人々の忠誠を記念する日」
なのだそうです。
そんな日に私が生まれたのも、不思議な偶然かもしれません。
生誕の日は、もちろん日本を含め、各国から、たくさんの天使が、私の所に降臨
してくれた日でした。
白い羽根を、ありがとう!
大事にあつめて、抱き枕にして、毎晩抱きしめて眠りたい!(笑)
その夜は、あの歌を、口ずさんでいました。
素敵な天使たちが、その笑顔で、天使の廻りのひとたちごと、幸せでいてくれま
すようにと。
本当に、ありがとう・・・!