[情報] 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。vol.54

作者: OGATA (HARUKA)   2006-07-04 11:26:16
◆◇ 「 緒方恵美の、銀河で、ホエホエ。」 ◇◆   2006年7月3日発行
                 vol.54 「ヨアケノジカン。」
 7月5日発売のアルバム「ヨアケノジカン。」の見本盤が届いた。
 ・・・美しい!
 なんて美しいジャケットなのだ・・・とても私のアルバムとは思えない。
 だって今回、超特殊メイクを施したんだもの、ワタシ。
 エビちゃんも倖田ちゃんも真っ青よ♪
 ・・・というワケでは、・・・もちろん、なく(爆)。
 とても綺麗な「夜明け」の空が拡がっているのだ。
 1日に5分も見せることのない、この瞬間にしかない美しい空。
 それを背にシルエットの砂時計が、サラサラと時を刻んでいる。
 デザイナー・熊川君の、渾身の一作だ。
 彼・熊川明久氏と出会ったのは、私がまだポリグラム(現・ユニヴァーサルミュ

ジック)にいた頃のことだった。
 最初にお願いした1枚は、忘れもしない、アレである。
  「 銀河にほえろ! 」。
 当時文化放送でオンエアしていた、「緒方恵美の銀河にほえろ」というラジオ番

から派生した、・・・なんというか、平成版「スネークマンショー」(言い過ぎ?
(^^;)という風情の、コントCD(?/笑)である。
 日曜深夜、明日は会社(学校)だぞ!という日の、深い時間のオンエア。
 最初は週500通だったのが2年後には約2000通のハガキが来るようになったその
番組は、スポンサー2社のプロデューサーがノリの良い方々だったおかげで、いろ

な意味で「非常~に大らかな番組」(笑)だった。
 そんな番組のコンセプトを語りつつ、「思ったまんまのジャケットを創ってみて

ださい」と初対面の彼に伝えたところ、「えー・・・ホントに思ったままにします

?」と言って出来上がってきた表1(表紙)が、なんと!
 「 幼児(男&女)の、全裸写真(前向き) 」。
 全員、唖然・呆然・・・満面の笑み!
 もちろん彼は「補欠で」と別デザインも用意してくれていたのだが、スポンサー

らスタッフから私から、全員一致で即決!(笑)したのだった。
 ・・・しかし、今考えたら空恐ろしい逸品だ。
 本当に全裸の幼児2人が、生まれたまんまの姿で、こちらを向いて戯れているん

ある。
 外人の子供であり、純真無垢であどけないその姿にはエロティシズムはまったく

く、とても健康的で、むしろ非常に微笑ましい光景なんであるが、・・・いかんせ
ん、
中身が中身だった。
 全編、西岡徳馬さんと大河内奈々子ちゃんと私(!)という、超異色の取り合わ

(が醸し出した妙な間合いが・・・/笑)でやりあっているCDなのだが、中には一
部、
子役の男の子が喋っている所もあったりした。
 しかもその子に、よりによって「こどももしもし相談室」という設定で、
 「おとなの女の人は、いろんな“汁”をだすっていうのは本当ですか?」
 なんて喋らせているのだ!
 うおおおお! なんということだ。
 当時は「オモシロけりゃOK!」というイキオイで作っていたのだが(子役のお母

も大喜びして下さっていたし/爆)、今だったらと考えると恐ろしい。
 面チンで置いてくれたCDショップは訴えられそうだし、もちろん作った我々も
PTA
の皆様の総攻撃に合うのは必定! ネットにはイヤガラセが渦を巻き、各社HPも当

は閉鎖状態になっていたかもしれない。
 そして何より手にとって(特に東京・秋葉原&池袋や大阪・日本橋付近のショッ

で)買ってくれたリスナーは「ああいう人がきっと・・・」と噂され後ろ指を指さ
れ、
いろんなレッテルを貼られていたかもしれない。
 (イヤ当時も「買うのに勇気が」というハガキの山だったけど/爆)
 そんな中で買ってくれた皆さん、本当に申し訳なかった。
 イマサラながら、心から哀悼の意を表したい。
 そして、本当に、ありがとう!
 しかしもちろん「銀ほえ」CDは、「そういう」意図だったワケではない。
 写真そのものは本当に可愛かったし、モノクロの芸術写真で、ちょっとしたポス

ーやジグソーパズルなんかにしたい雰囲気のものだった。
 帯の背中も小さく「 銀河にほえろ! 」とこっそり、小さく、赤い文字で書い

あって(実際の製品には製品規定のせいでもうちょっとフツウになってしまったけ

ど)、その空間の使い方にもセンスが溢れていたのだ。
 そういう風に、中の雰囲気を「そのものズバリ」ではないけれど「さりげなく匂

せ」つつ、かつ、「オレがこう作った!」的押しつけがましい所ナシにスパッとそ

世界観を切り取り、ぴたり、的確に美しく表現してくる。
 そのセンスがイッパツで大好きになり・・・以来、私のジャケットはずっと彼に

願いしてきたのだった。
 中でも、森の写真を雨粒が落ちた波紋のように美しく歪ませたアルバム「rain」
や、
おもちゃのブロックを組み合わせて作っている途中を表したマキシシングル「おう

をつくろう」なんかは秀逸だと思う。
 前作「鏡の国のアリス」などは、ジャケ買いした方が続出してくれたほどだ。
 その彼が、今回スケジュールがどうしても合わずにムリだと聞いたときは、本当

ショックだった。ええっどうしても? と食い下がったのだが、ちょうど詰む時期

海外にいるのだという。・・・仕方ない。
 諦めて別の方にお願いすることにしたのだが、、、これが、、、
 初めてだし、ミーティング等には特に時間を割いて一生懸命あたったつもりだっ

のだが、ナットクのいかないことが再三、出てきてしまった。
 イマサラどうできるのか? イマカラ何をすればいいのか?
 みんなにとって良い方向を、と、全員で協議に協議を重ねた結果、熊川君の帰国

待って、再度デザインをし直すことに!
 改めて彼と詰めていったら、スムーズに行くこと、行くこと。
 アイディア満載の彼のこと、ひとつ投げかけた言葉が10になって返ってくる。あ

よあれよという間に素材集め、撮影と流れていって、、、
 夏空のようにも見えるし、冬空のようにも見える。
 清々しく、飾っておくだけで涼やかな風が漂ってくるような。
 そんな、今までの中でも1・2を争う、美しいジャケットができた。
 デザイナーの熊川君と同様、長年私を撮影し続けてくれているカメラマン・河村
君、
そして同じく特殊メイクし続けてくれている(笑)ヘアメイク・冨安氏が担当して

れたジャケット。
 「あ・うん」の呼吸のチームで作られたジャケットはシンプルで無駄がない。そ

でいてあったかくて、キモチイイ。
 それはきっと、「仲間」が生む「空気感」なんだと思う。
 そしてそれこそが、「アルバムの中身を的確に表している感じ」なのだった。
 今回のアルバムは「仲間」のアルバムだ。
 仲間と呼べるひとたちと作った、「仲間の輪を広げる」アルバム。
 「親友」という言葉を多用したがるコドモな時期を通り過ぎ、親友という言葉の

さを知り、容易に使わず、避けてまわった時期をも、過ぎ。
 構える時期もテライの時期も越えて、肩の力が抜けた今。
 やっと作れた、アルバム。
 「音仲間」とも「ジャケ仲間」とも、今までいろんな、いろーーーー…んなこと

あって(笑)、今、ようやく「仲間」と、本当に呼べる時が来た。
 個性溢れるプロフェッショナルな仲間達と、同じ方向を見て創った1枚。
 聴いてくれる人達に、伝染(つた)わりますように。
 この想い。

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