扉絵は世界の甲板から 5億の男編
vol9.『アラバスタ王国』
王宮のベランダから空を眺めるビビ。
その後ろではカルーが麦わら一味の手配書を読んでいる。
以下本編。
ベッドで語るペコムズ「ヴィンスモーク家は人殺しの一族だ」
■ついに語られるサンジ出生の秘密!!
怒るナミ「"人殺しの一族"ってどういう事!?」
ペコムズ「『ジェルマ66(ダブルシックス)』って名は知らねェか? 別名を"戦争屋"
」
ナミ「何言ってんの!?(汗」
「それは空想上の『悪の軍隊』でしょ!? バカバカしい!!」
ルフィ「?」
ペコムズ「いいや実在する組織だ そのトップにいるのがヴィンスモーク一家」
「ボスが”黒足”の親父なのさ」
驚くナミ「え……!?」
去り際のサンジの言葉が蘇る。
『これだけは信じてくれ…!! おれは仲間に隠し事をしてたつもりはない!!』
ルフィ「なんか知らねェけど! そんなものはどうでもいい!!」
ペコムズ「!」
「ガオ!! 確かにそうだ」
ルフィ「おれ達が知りてェのはあいつが戻って来るかどうかだ!! 結婚するならしても
構わねェ!!」
「だけどそれで俺たちが『ビッグマム』の子分になるのはイヤだ!! だから」
「そん時はお前らがおれの下につけ!!」
ぶっ倒れるペコムズ「え~~~~っ!!!!」
ワンダ「ペコムズ!!」
キャロット「あははははは!! ルフィ面白い!!」
ルフィ「?」
気を取り直したペコムズがサングラスを外してルフィに詰め寄る。
ペコムズ「口をつつしめ小僧 滅ぼすぞ!!!」
「恩人とはいえ調子にのるな ママは海の皇帝!!」
「『四皇』の一人だぞ!!!!(怒」
ルフィ「うん」
ガクっと膝をつきうずくまるペコムズ「オオ…傷にさわる……」
ルフィ「お前 目かわいいなあっはっは」
ペコムズ「黙れ!!! ウウ…」
「ハァ…ハァ…まァ…いずれにせよ結婚からは逃れられねェさ…」
ルフィ「何で」
ペコムズ「実際に”黒足”が行っちまった様に…まず…ママの『お茶会』の招待状は絶
対に断れねェ…」
ルフィ「?」
ペコムズ「断れば後日…そいつにはある『プレゼント』が届く事になる」
「ママに恥をかかせるんだからな…嬉しい物など入っちゃいねェ」
「中身はそいつに関わりのある “誰かの『首』”だ!!!」
一同「!!!?」
ペコムズ「”麦わらの一味”の誰かの首かもしれねェし…”東の海(イーストブルー)
”のレストランにいる誰かか…」
「カマバッカ王国の誰かかも」
背筋が凍るワンダとキャロット。
ルフィ「おい!! 何でそんな事まで知ってんだ!? お前ら!!」
ペコムズ「…これが “力”ってもんだ!!! “麦わら”」
「『脅迫』は圧倒的な実力者が口にすれば 『必ず来る未来』でしかない…一体誰が逆
らえる?」
「それが『四皇』という存在!! 成す術もねェってのはこういう事だ…!!」
ナミ「……!! だからサンジ君 行くしかなかったんだ…!!」
ペコムズ「もう一つ…安心させてやろう恩人たちよ」
「お前らがウチの傘下に入る事もない…! ガオ!!」
ルフィ「?」
ペコムズ「─これは”政略結婚”だ…!!」
「ママは傘下につく者達と必ず”血縁”を結ぶ──つまりこの結婚はヴィンスモーク家
とシャーロット家の血縁を結ぶための『儀式』」
「お前らとの関わりを持つ為じゃねェのさ」
「もっと分かり易く言おうか? ──結婚が成立した瞬間…!!」
「"黒足”のサンジはお前らの仲間じゃなくなるって事だ」
一同「!!!?」
ルフィがペコムズの襟首を掴んで怒鳴る。
ルフィ「何だその勝手な話!!! サンジはおれの仲間だ!!!」
ペコムズ「ぐ……!! だがそれ以前にヴィンスモーク家のせがれだろうが!! おれに当た
るなガオ!!」
ルフィ「そんな結婚サンジは断るに決まってる!!!」
ペコムズ「…ママと凶暴なヴィンスモーク家を目の前に…!? さァ…断って命があるか
どうか…」
ルフィ「何を~~~!!?(怒」
ルフィ「おいペコマムシ!! お前これからどうすんだ……!?」
ペコムズ「!?」
「……回復したら戻るさ」
「おれを殺したつもりだろうベッジのガキ このままじゃ済まさねェ」
ルフィ「じゃあおれも連れてけ!!!」
ペコムズ「!!?」
ナミ「ルフィ!!!」
ルフィ「ナミ!! おれ1人で行く!!」
「ロビン達が言ってたみてェにみんなで行ったら 戦争ふっかけたみたいになっちまう
」
「今そんなことやってる場合じゃねェ!!」
「おれ1人で! コイツと一緒なら『茶会』に潜り込んで式をぶっ壊せるかもしれねェ」
ペコムズ「ふざけんな おれに敵を誘導しろってのか!?」
キャロット「わ……面白そう……!!」
そんなキャロットをたしなめるワンダ「キャロット遊びじゃないんだ」
キャロット「あ」
ルフィ「よし決まりだ!! チョッパー呼んで来る!! 早く治れ!!」
ペコムズ「勝手に決めんじゃね…オオ イテテ……!! オイ」
「待て”麦わら”ァ!!」
部屋を飛び出していくルフィ、すぐ外にはゾロの姿が。
ルフィ「ん? ゾロ! いたのか!」
「聞いたか?今の」
ゾロ「聞こえた」
ルフィ「サンジの事 心配なんだろー ししし」
ゾロ「ケるぞてめェ 放っとけっつったろあんなバカ」
そこにやってくるウソップ達。