京&庵チーム ストーリー/京&庵隊 背景故事
神楽、いや八咫ちづるは、病院のベッドの上で力無く視線を落とした。
真吾にはわかるはずもないことだったが、アッシュ・クリムゾンに三種の神器としての
「力」を奪われた以上、彼女はもはや草薙や八神と同列の存在ではない。
「私には、もう本当に祈ることしかできない。草薙と八神が、もう一度だけ力を合わせ
て闘ってくれることを……」
神樂,或者該稱呼她為八咫千鶴才是,躺在醫院病床上,視線低垂,雙眼無神。
相信真吾是不會明白的吧,在被亞修.克里森奪去了身為三種神器的「力量」之後,她已
不可與草薙和八神相提並論了。
「我現在所能做的,真的就只剩下祈禱而別無他法了。若草薙和八神,能夠再一次地並肩
戰鬥的話……」
「そ、それは大丈夫ッスよ!」
内心は全然大丈夫ではないのだが、とにかく真吾は勢いで言い切った。
「でも」
「この矢吹 真吾が何とか頼んでみるッス! 心からお願いすれば、草薙さんも、それに
八神さんだって、快く引き受けてくれるに違いないッスから!」
「那、那種事沒問題的啦!」
雖然內心完全不覺得會沒問題,真吾還是一個勁兒地脫口說道。
「可是」
「妳就把一切都交給在下矢吹真吾吧! 若是發自內心地去拜託的話,草薙前輩還有八神
前輩,肯定都會爽快地答應的啦!」
※ ※
「……というわけで八神さんとエントリーしてください草薙さん!できたら快く!」
「バカも休み休み言え」
往来で京の姿を見つけるなり土下座して頼み込む真吾に、京は予想どおりのつれない返
事を返しただけだった。そのまま真吾には目もくれず、とっとと先に歩み去ろうとする
。
「……事情原委就是這樣,請你和八神前輩一起報名參賽吧草薙前輩!若可以的話希望儘
快!」
「少說蠢話了。」
在人來人往的街道上,真吾一找到京就跪了下去懇求他,而京也如預料般地冷淡回道。對
真吾不屑一顧,想就這樣掉頭就走。
「でも、以前は一緒にチームを組んだことだってあったじゃないですか!」
「あれは神楽が頼み込んできたから、仕方なくやったんだよ。そもそも八神の野郎が承
知するわけないだろうが!」
「可是,之前不是也曾經一起組隊過嗎!」
「那是看在神樂拜託的份上,才勉為其難答應的。說起來八神那混蛋也是不可能答應的吧
!」
京、庵、神楽ちづるでエントリーした前大会。
それは3人が数百年越しの微妙な関係であればこそ成立した奇跡か奇術のようなもので
、もう一度そんな状況が訪れるとは考えにくい。
そもそも神楽を欠くとなれば誰かもう一名を加えなければならないが、京と庵とが共に
納得する人選など、ありうるとは思えなかった。
京、庵、神樂千鶴在先前的大會曾一同報名參賽過。
那是因為3人有跨越了數百年的微妙關係才成立的、就像奇蹟和魔術一般,很難想像能夠
再一次見到那般光景。
話說回來,因為少了神樂,非得再補上一名隊友不可,不過實在想不到有什麼人選,是可
以讓京和庵兩人都認可的。
「あ、そのことなら、俺に考えがあるッス!」
「……なんだよ、聞くだけ聞いてやるから、言ってみな」
「俺っすよ俺! この矢吹 真吾!」
真吾はニコニコとしてはいたが、その笑顔にはシャレとか冗談とか、そういった類のエ
ッセンスが含まれていそうにない。要するに本気なのだ。
「……聞いてやるんじゃなかったぜ」
「啊,關於這件事,我也是有想過的!」
「……什麼啊,那我就姑且問看看吧,說來聽聽。」
「我啊我! 我矢吹真吾啦!」
真吾雖然一臉笑嘻嘻的,但那笑臉看上去並沒有幽默或是開笑玩的成分在。總而言之他是
認真的。
「……早知道就不問你了。」
※ ※
長い夏の日が沈み、東の空に下弦の月が浮かんだ。
蒸し暑い夕暮れ。
風は凪ぎ、墓前に立ち上がる二筋の煙が、揺らぐことなくまっすぐに上へと昇って行く
。
小さな墓の前にたたずむ一人の男に、もうひとつの影が近づいてきた。
「線香のつもりか、八神」
「……」
漫漫長夏的太陽西下,於東方的天空下弦月已然浮現。
是暑氣蒸騰的日暮時分。
風和日麗,墓前二道煙裊裊上升,絲毫未見動搖地筆直而上。
一個男人佇足在小小的墓前,有一道影子靠近了他。
「你是來上香的嗎,八神。」
「……」
墓前の線香立てに火のついたタバコが一本横向きに置かれている。
八神庵の口にはくわえタバコ。その二本の煙が、糸のように空へ続いていた。
二人は顔を動かすことも合わせることもなく、墓前に真横に並んだ。
「今年で何回目の命日になるんだっけな?」
「……貴様、いつから知っていることまで人に尋ねるようになった」
在墓前的香爐邊,橫擺著一根點燃的香菸。
八神庵的嘴巴也刁著一根香菸。這二道煙,猶如細絲一般不斷飄送向天際。
二人連對看也沒有,比肩站在墓前。
「今年是第幾次的忌日了呢?」
「……你這傢伙,從何時開始變得愛明知故問了。
二人とも呟くような口調である。いつもの言葉の鋭さはない。
目の前のちっぽけな石碑が不戦のオブジェの役割を果たしているかのように、 夕日に
置き去りにされた蝉の声が遠くで聞こえる。
「貴様の弟子が、毎日ピーピーとやかましい。なんとかしろ」
「パシリの日常行動まで責任持てるかよ。てめぇの好きにすりゃいいだろ」
「……よかろう」
兩人都用著像是呢喃般的語調。話語當中少了平日的尖銳。
就像眼前不起眼的石碑起到了止戰功效一樣,可遠遠地聽到夕照遺下的蟬鳴聲。
「你這傢伙的弟子,每天都跑過來吵鬧擾人。給我處理一下。」
「我還要對跑腿的日常行為負責喔。隨你高興吧。」
「……那好。」
八神は短くなったタバコを足下に放ると、新たな一本を取り出し、口にくわえた。
すぐ近くに京の手とライターが差し出された。
かなりラフな使い方をした年代物であちこちのメッキが剥げ、何やら英文が彫り込まれ
ている。
その蓋が軽快な音を立てて跳ね上がり、ウィックが擦れて炎が上がった。
右腕だけが八神に向けられていて、体と顔は相変わらず正面を向いたままだ。
八神將變短的香菸扔到腳邊,重新取出一根,含在嘴中。
在一旁的京手伸前遞出了打火機。
是使用方式相當隨便的年代物了,好幾處鍍金已剝落,上面似乎寫著什麼的英文。
在輕快的響聲下彈開了蓋子,打火石點著的火焰燃起。
只有右腕伸向了八神,身體和臉依然仍維持著面向前方。
「ライターを持ち歩く必要があるのか?」
「頂きモンでな」
八神はポケットから自分のライターを取り出すと火を付け、片手で風から炎を守りなが
らタバコに火を付けた。
京が小さく舌打ちして蓋を閉じる。辺りがほんの少しだけ暗くなった。
八神は足を真横に向けると、ゆっくりとその場を離れかけ、数歩で歩みを止めた。
「有必要隨身帶著打火機嗎?」
「別人送我的。」
八神從口袋掏出了自己的打火機,點燃火焰,用單手擋著風保護火焰,點燃了香菸。
京小聲地啐了一聲蓋上蓋子。周圍變得稍微有些暗了。
八神腳往旁挪移,緩緩離去,走了數步後,他停下了腳步。
「……」
「まだ何か用か、八神」
相変わらず墓前を向いたままで京が答える。
「貴様との決着はつける。貴様を殺すのはこの俺だ」
「……」
「だが、その前に片づけねばならんこともある」
「……らしいな」
「……」
「還有什麼事嗎,八神。」
仍站在墓前的京問道。
「我一定會跟你這傢伙做個了斷。要把你殺掉的是我。」
「……」
「不過,在這之前還有些非解決不可的事情。」
「……似乎是這樣呢。」
「……」
京の耳に八神の歩く音が再び響く。少しずつそれは遠くなり、やがて消えた。
墓前に設置されていた街灯が灯る。
八神の立っていた場所が、荒涼としたスポットライトに照らし出された。
投げ捨てられた吸い殻には、真紅の染みが付いていた。
京的耳朵再次響起八神的腳步聲。逐漸遠離,終至悄無聲息。
在墓前所設置的街燈亮了起來。
荒涼的燈光,映照在八神原先所佇立的地方。
丟棄的菸蒂,暈開了緋紅的痕跡。
※ ※
KOF第一回戦、日本会場。
真吾は世界遺産に指定された城の大手門で、京と庵とを待っていた。
結局二人からは出場の約束どころか相手にもされず、それどころか庵からは本気で殺さ
れそうになること数度。
それでもめげずに哀願したが徒労に終わった。
KOF第一回戰,日本會場。
真吾在被指名為世界遺產的城門前,等著京與庵。
結果兩人非但沒答應要出賽,根本就沒把他當一回事,而且還好幾次差點就真的被庵給殺
了。
即使如此依然不屈不撓地苦苦哀求,卻依然是以徒勞告終。
真吾は思い出す。数週間前の自分自身の言葉を。
「いいですか、お二人の名前でエントリーしておきますからね! 絶対に来てください
よ! 信じてますから!!」
真吾回想起數週前自己所說的話。
「這樣子好了,我會用你們兩人的名字去報名參加的! 請絕對要過來喔! 我相信你們!
!」